【算数座談会】

最難関校の算数・数学で求められる力とは

−灘・東大寺学園・洛南高附属−

[1]まず「学ぶ姿勢」を見つめよう

溝端 この座談会では、最難関校はどんな力をもつ生徒を求めているのか、その力を身につけるにはどうすればよいのかを考えていきたいと思います。まずは、算数・数学を学ぶうえで何が重要なのか、先生方のお考えをお聞かせください。

杉山(浩) いちばん重要なのは、おもしろいと思いながら、好奇心を持って取り組むことだと思います。おもしろいという気持ちがあれば、たとえ間違えても、どこが間違ったのか、こんな解き方をしてみたらどうなのかと、自分から能動的に取り組むことができます。そうすると、この問題はこういう理屈で解けるとわかってきます。正解したらおしまいではなく、能動的に学ぶことが何よりも重要だと思います。

溝端 生徒さんにおもしろいと思ってもらうために、授業で工夫していることはありますか。

杉山(浩) こちらから与えるだけにならないように、発問して生徒同士で話し合ったり、教え合ったりする時間を取って、自分の頭を使って考えさせるようにしています。

溝端 東大寺学園、灘ではいかがですか。

世古 数学が得意な生徒を見ていると、身につけている共通の学習姿勢があるように思います。できなかったときに式を書いてみる、図を書いてみるといったルーティンを持っているんです。できない、わからないとき、ほとんどの生徒は立ち止まってしまいます。でも、そこで動くことが大事。少しでも動くと、違う風景が見えてきますから。それを小学生のころからやってきた生徒は強いです。解答の読み方も大事です。自分の答えが合っているかどうかだけでなく、なぜここでその方向に向かったのか、行間を読むことが必要です。そうすることによって、本当の理解に少しでも近づけるのではと、思っています。

杉山(登) 数学を学ぶうえで何より重要なのは、自分の頭で考えて理解することです。中学に入学したばかりの生徒のなかには「この問題はこう解く」と丸覚えしていて、そのとおりにやる生徒もいます。そういう生徒は長い目で見ると伸びません。学んだこと一つひとつに対して、それがどういうことなのかを理解して、自分できちんと考えて解いていくことが必要なのです。そういう方向をめざすことがいちばん大事だと思います。
 もう一つは、自分の解答に自分で責任を持つという意識。この意識を持っている生徒は、よく伸びます。逆に数学を苦手とする生徒は、教わったことを何となく当てはめて「これで合っていますか」と持ってきます。正解なら「よかった」と思ってそれで終わり。自分の内側からきちんと納得できているわけではないので、そのままの姿勢では数学の力は伸びません。自分であれこれ考えて、「これで合っているはずだ」と責任を持って答えを出せる状態になったうえで学び続けることができれば、力はどんどん伸ばしていくことができると思います。