<教育対談>

中高のその先で伸びる子 伸びない子

[1]生物の多様性はなぜ大切?

髙宮 今、生物の多様性が大事と盛んにいわれていますが、なぜなのでしょうか。

西川 自然が変化すると、生物はそれに適応して生きていかなくてはなりません。今後、地球温暖化が進むと暑さに強い生き物が生き残り、その後、氷河期がくると寒さに強い生き物が生き残ります。ただ、いつ氷河期がくるのか、温暖化が激しくなるのかはわからない。それに備えるために多様性が大事なのです。そうやって生き物は生き残ってきました。

髙宮 先ほどの講演で、外来種が増えて駆除しているというお話がありました。外来種をそのまま放置していると、日本固有の種がなくなってしまうから排除するということなのですね。

西川 そうです。たとえば日本には50種類ぐらいのサンショウウオがいますが、数百万年の歴史があって今に至ります。何か意味があって生き残っているのです。それを外来種が一掃してしまうと、日本固有の種は失われても二度と戻ってきません。それを防ぎたいのが駆除の理由です。外来種に罪はありません。