【セミナー】
神戸女学院・高槻・西大和学園

算数・数学の力を伸ばす学び方

西大和学園中学校・高等学校 数学科 小西 雅也先生

西大和学園中学校・高等学校 数学科
 小西 雅也先生

[3]入試問題に込めた思いと受験生へのメッセージ

溝端 ここからは中学入試で測りたい力を伺っていきたいと思います。

林 高槻の入試問題は、受験者の平均が5割から6割程度になるように作っています。単純な計算問題も定番の問題もひねった問題も出します。昨年度から記述式の問題を2問から1問に減らしました。途中で間違えてもそこまでの考え方に点数をつけるので、自分の考えを伝えようと意識して書いてもらえればと思います。

山中 神戸女学院は6問すべてが記述です。一見難しく見える問題もじっくり読み解いて、自分の知識と結びつけて考えてもらいたいです。解答欄をメモのように使う人もいますが、考えを整理して書いていれば、部分点を与えることもできます。日頃から、思考の流れが読み手に伝わる答案を書くように心がけてください。

小西 西大和学園の入試では、考えて解く問題と手を動かして糸口を見いだす問題を出しています。学園長は、「入試問題は学校の顔」と言っています。標準問題だけを並べるのではなく、高校数学や大学数学の背景があるものから着想を得て、算数に落とし込むようなおもしろい問題も出すようにしています。

溝端 入試問題を作成していくうえで、どんな思いを込めているのでしょうか。

林 大学入試や数学的な理論など、楽しいと思える題材を使って問題を作ることもあります。中学入試の問題に落とし込むのは大変ですが、算数の力を測るレベルに配慮しながら問題を作成しています。

山中 きちんと練習して身につけた算数の力を見たいと思っています。初めて見る問題でも、手を動かして考えると実は自分の知っている知識と結びつくということに気づけるところまでしっかり練習してほしいです。

小西 入試問題への思いは人一倍あります。わたしたちが受験生に直接授業をする機会は体験授業ぐらいしかありません。ですから入試問題はお子さんの身になるよいものを作ろうと、何度も調整しながら思いを込めて作っています。

溝端 最後に受験生に向けてのメッセージをお願いします。

小西 みんなで世の中を良くしていきたいという思いがわたしの中にはあります。次代を担うリーダーを生み出すという学園精神の下、今、わたしが受け持つ228名の中1生にも未来に羽ばたいてもらいたいと思っています。算数から数学へ、段々と学問になっていく中で力をつけてもらいたいので、皆さんも前向きに学んでください。

林 算数・数学は粘り強く一問一問ていねいに解くことがすべてです。保護者の方にはお子さんの可能性の芽をつぶさないように、子どもが違うやり方をしたり、答えが間違っていたりしても努力を認めてあげてほしいです。算数と数学はつながっていますし、自分の手を動かして自分の頭で考えることは人間的な成長にもつながります。算数嫌いにならないで、最後までやり抜いてください。

山中 数学はひらめきだと思われがちですが、ひらめきは必要ありません。わかるようになり、解けるようになると、数学は楽しくなります。一つひとつできるようになって、「わかる」「楽しい」と思ってもらえたらと思います。

柿谷 算数・数学を得意になるためには好きになることが大事ですね。わたしたちもそこをめざしたいと思います。

溝端 算数・数学は積み上げ型の学習で、一つ飛ばしには進めない科目です。一歩ずつ進んでいるうちにこんなに高いところまで登ってきたと気づくのは山登りも勉強も同じです。今日の先生方のお話をぜひ生かしていただければと思います。