大阪星光学院中学校・高等学校 数学科
小島 敬先生
広野 大学入試の様相がここ数年で大きく変わり、2025年の大学入試では、約54%が総合型もしくは学校推薦型選抜で入学をし、特に私立大学では約62%を占めます。国公立の最難関大学でも昨今では特色入試・推薦入試が行われており、中高6年の間に何に興味を持って大学でどういう学びをしたいのかが固まっていなければ突破するのが難しい試験になっています。
こうした背景から、中高の学習のなかでも探究的な学びが重要になっています。そうした学びとは、生徒みずからが問いを立て、解決に向けて情報を収集・分析し、自分なりに答えを導き出す学習プロセスであり、答えのない問題を自分で考えていくものです。2020年度からは高校で総合的な探究の時間として本格始動しました。3校では探究的な活動にどのように取り組んでいるのか、まずは校内での学びについてお聞かせください。
小島 大阪星光学院ではまだまだ一般選抜入試をベースとして考えていますが、そのなかでも推薦入試を受ける人数が増えてきているのは事実です。中学では物理の研究授業やサイエンスツアー、語学留学なども実施していますが、探究的な学びの素地になるのは基礎学力の定着と合宿です。
合宿の拠点として長野県の黒姫に山荘があり、スキーや登山に出かけます。海に囲まれた和歌山県の南部町にも宿舎があります。南部では磯での実習をしたり、釣った魚をさばいてもらって食べたりします。中1で20泊から25泊ぐらいの宿泊があり、多い生徒は中高6年間で100泊ほど合宿に参加します。先日は高3生たちと勉強合宿に行ってきました、8限目、9限目まで勉強をするのですが、180人の学年で130人ぐらいが希望して参加します。それだけ彼らにはみんなと何かしたい、仲間と一緒に乗り越えたいという気持ちが強くあります。遊ぶときは遊び、勉強するときは勉強するというメリハリのある生き方が本校の特徴です。
立山 四天王寺では、コース別に探究的な学びに取り組んでいます。医志コースでは、医療倫理や生命観など医療にかかわる社会課題を探究し、今年、横浜で開催された日本再生医療学会総会には中高合わせて5チームの生徒が参加・発表し、複数の賞を頂きました。探究テーマは「イモリから学ぶ脳の再生や発汗と生活習慣」などさまざまで、今後も自分の興味・関心を突き詰めた先に思いがけない発見があることを学んでもらいたいと思っています。
英数Sコースでは英語での演劇教育を取り入れ、演劇を通してコミュニケーション能力、表現力、集中力、協調性、語学力など世界で活躍するために必要なものを身につけ、視野の広い人格を育てています。英数コースでは、さまざまな興味・関心を引き出してスキルを身につける機会として探究活動に取り組んでいます。現在は菓子メーカーの社員になりきって新商品を開発することに挑戦中です。マーケティングや営業、製造などを広く学び、最終プレゼンには本社から社員の方をお招きして発表しました。コースごとに特色のある探究的な学びを展開しているところです。
花房 清風南海でも大学受験はまだまだ一般選抜入試がメインですが、その一方で推薦入試のためではなく、生徒の知識や興味を引き出し、選択の幅を広げるために探究活動を実施しています。とはいえ中学校では基礎学力をつけるための勉強が中心です。教科書から学ぶだけではなく、生徒の興味・関心を引き出す授業や取り組みをたくさん行っています。高校になると、知識だけでなく、考える力、社会に役立つ力をつける授業が増えます。中学生は希望制で魚を解剖する実習に挑戦したり、わたしが顧問を務める科学研究部でもプログラミングやロボット作りに取り組んだりしています。中1から中3の総合の時間にはポスターセッションにも取り組んでおり、グループで興味のある内容について研究発表しています。苦労しながら乗り越えていくことが大きな学びと成長につながっています。
現在、社会の変化に伴って、答えのない問いに対して自分なりに考えて最適と思われる答えを出す人材が求められています。そういったなかで、高校では「グローバル探究ゼミ」という希望制のゼミを実施しています。さまざまな社会課題を解決する力をつけたり、ビジネス関係のコンテストに出場したり、海外研修に参加したりといった取り組みで、毎年秋には海外の生徒も招いた国際シンポジウムで探究の成果を英語で発表しています。毎年3月には、こちらに来てくれた生徒の国々を訪問する交流も行っています。英語力に自信のない生徒もいますが、交流を重ねるうちにどんどん上達していきます。