【特別座談会】

「考える力」をはぐくむ教育とは

[5]保護者へのメッセージ

髙宮 最後に、今日ご参加の皆様へのメッセージをひと言ずつお願いします。

海保 低学年のお子さんは、自然の中でいろいろな集団活動をすることで非認知能力や好奇心、探究心が育ちます。そうした力が学びの原動力になるので、しっかりと育んでいただけたらと思います。本校では、好奇心、探究心を駆動させて主体的に学べる仕掛けをたくさん用意しています。図書館も充実していますし、部活動や生徒会活動も盛んなので、生徒が伸び伸びと動き回りながら、考える力をはじめ幅広い力をつける環境が整っています。それを実際に見ていただけるのが文化祭です。毎年5月2日・3日に開催していますので、ぜひお越しください。

今西 考える力が育つのを妨げるのは過干渉、過保護ですが、そうはいっても心配や不安があると、どうしても「あれをするな」「これするな」になってしまいます。この不安の多い時代に、親も子も同調圧力に屈しない自己肯定感、自尊感情、矜持を適度に持っているのが大事なことと思います。かつては自尊感情が多すぎるような生徒が目立ちましたが、今はむしろ自尊感情が不足しているように思います。自己肯定感を育てる環境をわれわれの学校でもつくってもいきたいと思います。

本郷 学校選びは、実際に生徒がどういう表情で活動しているのかをご覧になることが大事です。中学受験では、すべての受験生が第一志望に合格するわけではありません。保護者の皆さんには、たとえ合格できなくても「ああ、あかんかったか」と悲嘆に暮れるのだけは絶対にやめてほしいです。「よくがんばったな」と、努力したことをたたえて前を向かせてあげることをぜひ心の片隅に留めておいてもらえたらと思います。

髙宮 先生方、貴重なお話をありがとうございました。