【特別座談会】
甲陽学院・東大寺学園・灘

『好き』で世界を切り拓こう

SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表 髙宮 敏郎氏

SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表
 髙宮 敏郎氏

[5]小学生と保護者へのメッセージ

髙宮 最後に、ご参加いただいた皆さまに、どんな小学生時代を過ごしてほしいかメッセージをお願いします。

海保 「好きは世界を切り拓く」。まさにその通りだと思います。個性を伸ばすのが大事だとよくいわれますが、教育の分野で「個性を伸ばす」というのは、「自分の真の得意分野を見極めてその分野の能力を伸ばす」ことでしょう。小学生時代、特に低学年のお子さんには、好奇心、探究心を育てる土壌になる豊かな感受性を持っていただきたい。自然に触れ合ったり、集団活動に取り組んだりしながら感受性を育んでいただけたらと思います。

 好奇心、探究心にあふれるお子さんにはぜひ灘に来ていただきたいですね。あらゆる知的刺激に満ちた学校ですから、好奇心、探究心を原動力にいろいろなことに挑戦して、その中で本当に自分の得意なものを見つけて個性を伸ばすことができると思います。

衣川 本日のテーマは「好き」ということばですが、「好き」はやがて知りたい、考えたいという学びの力に変わっていきます。知りたいと思ったことが理解できると、それが楽しいことになっていきます。楽しさが長続きするとやる気になります。受験勉強は辛いものになりがちですが、この世界の不思議を知ることが楽しいから勉強すると考えられればいいと思います。

 目の前に受験があるとなかなかそうはいかないかもしれませんが、受験は通過点です。その先も続いていく学びの土台を作ることが重要なので、保護者の皆さんにもお子さんの「好き」という気持ちを大切に育てていただきたいと思います。わたしたちもそういう思いを共有しながら教育を行っていきます。

本郷 お子さんにはいろいろなことをさせてあげてほしいです。子どもは何が好きになるかわからない、どこに自分の好きが転がっているかわからないので、できるだけさまざまなことをさせてあげてください。わたしは料理が好きなのですが、料理にも発見はあります。習い事で楽器に触れていいなと思ったり、音楽の美しさに目覚める体験もその子の感性を広げていくことになります。

 もちろん学校でも、自分の「好き」がどこにあるのかを探すしかけを一生懸命作っていきます。東大寺学園には主要教科や副教科ということばがありません。家庭科も一生懸命に取り組み、リンゴの皮も一生懸命にむいています。子どもを楽しませながら、できるだけいろいろなことを体験させる、どこに自分の「好き」があるかを見つけさせることが大事なのだと思います。

髙宮 先生方、ありがとうございました。